2020年11月3日、福島県いわき市で講演


11月3日(文化の日。日本国憲法が公布された日)、福島県いわき市の文化センターで講演しました。

いわき文化の広場・いわき九の会・いわき市九条の会連絡会の共催です。


演題:市民と野党の共同の礎 ~「立憲主義」の根源に迫る~


拙著『立憲主義をテーマにマルクスとエンゲルスを読む』を目にした方から2月頃に東銀座出版社へ電話があり、そこから講演招請になりました。

その方は、樋口陽一教授が御著書『比較憲法』(1977年)の中で使っていらっしゃる「外見的立憲主義」という概念を平野義太郎教授が『日本資本主義発達史講座』(1932~33年)で使っておられ、その出典をエンゲルス著『住宅問題』として紹介なさっていること、その概念の初出がマルクス青年期の論説に遡ることを拙著で知り、永年の疑問が解けたと喜んでいらっしゃいました。


いわき市の9条の会では講演会を例年5月に2回ひらいて、革新系と保守系(例えば自民党内護憲派元議員)の講演者を1回ずつ招請する慣例になっているとのことです。

今年はコロナ禍で延びていました。いわき市は福島原発事故の被害も受けられた方々の土地ですので、敬意を込めて全力で準備しました。


〇17世紀のイギリス清教徒革命・名誉革命を機に成立した立憲主義
〇18~19世紀のフランス革命とナポレオンなどのクーデタ
〇19世紀のドイツなどにおける立憲主義実現運動とマルクス達の奮闘
〇20世紀の2度の世界大戦と憲法9条成立、国連、EU,核兵器禁止条約
〇日本再軍備を求めるアメリカ軍の期待に応える自衛隊発足 ~安保法制・秘密保護法・共謀罪・学術会議6人任命拒否


という流れの中で、立憲主義回復・法の支配回復のための共同の大切さを訴えました。
親族に自民党議員もいらっしゃるという無党派の若い男性が真正面から受け止めてくださり、立憲主義回復・平和擁護のために力を合わせる決意を固めてくださった、などという報せが翌日ありました。

小生の話を聴いてくださった皆さま、講演会の準備と運営に当たってくださった皆さま、本当にありがとうございました。